エースの穴、名将退任、捕手不在…日本一早い!? 2016年セ・リーグ順位予想

マエケン抜けた広島は「一番しんどい」!? 高橋新監督の巨人は「拾えていた試合が…」

 1位~4位のチームは「今年も”混セ”になるでしょう」と、野口氏は見ている。そんな中で、CS圏外となる4位には、エース・前田健太がドジャースに移籍した広島を挙げた。

「(4チームの中で)一番しんどいのはカープという気がします。マエケンの穴は大きいですよ。1人で埋めようとしたら無理ですよね。大瀬良が(先発に)戻って、3分の2くらい埋めてくれて、残りの3分の1を誰かが埋めてくれれば…。(中継ぎは)今年は中田簾が大丈夫そうなのですが、中崎も今年は(去年ほどの成績を残すか)分かりませんしね」

 15勝(8敗)を挙げて最多勝を獲得したエースの穴は、昨季途中にセットアッパーに配置転換された大瀬良が先発復帰することで埋められるかが鍵になる。中継ぎ陣は、2014年に66試合に登板し、勝ち継投を担った中田簾の右肩痛が癒えるものの、昨年守護神としてブレイクした中崎も同様の活躍を出来るとは限らないとした。

 それでも、野口氏は「カープは新しく獲ってくる選手は必ず1人は当たりますよね。ドラフト1位の投手を先発・中継ぎの両にらみで調整させるのもいいかもしれません」と、ルーキー右腕の岡田(大商大)に期待を寄せた。

 野手では「エルドレッドが最初からいればプラス要素ですよね」と上積みポイントを指摘。ただ、「やっぱり前田健太の穴を埋められるかどうか。1人で埋めないこと。福井ももうちょっと上積みして、12~13勝はいけそうな気がするんです。あとは薮田あたりが活躍すれば」と、先発投手の奮闘がポイントになると総括した。

 黒田、ジョンソンとローテーションの軸はしっかりしている。大瀬良、昨季9勝の福井、昨年のプロ初登板初先発で白星を記録した薮田に加え、九里や野村など、期待される若手投手の数は多いだけに、一皮むける選手がどれだけ出てくるかに注目したい。

 そして野口氏は、3位には生え抜きのスター選手・高橋由を新監督に据えた巨人を挙げた。「百戦練磨の(前監督)原辰徳さんから代わるわけですからね。由伸監督が悪いというわけではなく、今まで原さんの采配で拾えていた試合が、拾えなくなる可能性が高くなるので…」。今年から順位を1つ落とすと予想した理由をこう語った。

 2002年からの2年間を加えた昨年までの計12年間で7度チームをリーグ制覇に導き、2009年には第2回WBC優勝にも輝いた名将が昨年限りで退任。40歳の青年監督が指揮を執る今季は、これまでほど采配面でアドバンテージを持つことができないと見ている。

 さらに、捕手への不安も指摘した。00年代の不動の正捕手だった阿部は昨季、一塁にコンバートされた。ベテランの相川、3年目を迎える小林らがいるが、いずれも巨人で1年通してマスクを被った経験はない。“扇の要”の事情も決して万全ではないとした。

 野手ではヤンキースからギャレット・ジョーンズ、ロッテからルイス・クルーズを獲得したが、それにより「外国人が”余剰戦力”気味で、コントロールするのが難しいと思います」と“運用”に難しさが出ると指摘する。

 野口氏は「逆にそれを由伸監督がまとめてしまったら、オールスターまでに決まる気がしますが…」と現役時代からカリスマ性のある新監督の手腕に期待しつつ、「選手時代同様にまとまってくれればいいですけど、立場が変わると、周りの印象が変わりますから…」と不安材料にも言及。優勝できる戦力は十分にそろっているだけに、首脳陣の手腕に期待が集まる。

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