前田健太、次は“運命の対戦”? Dバックス社長が明かす争奪戦撤退の理由

前田は「素晴らしい選手です。恐ろしい」

 前田のメディカル面について知る立場にあったのは獲得の意思を表明し、合意に達していたドジャースだけだったという。そして、前田は同地区の強敵に移籍することになった。

「ドジャースは私の古巣ですが、無尽蔵な大金で選手をどんどん獲得する。我々のファンにとっても最大のライバルなのです。スタジアムでは“ビートLA!(LAを倒せ!)”の合唱になります。そこにマエダサンが行ってしまった。

 素晴らしい選手です。恐ろしいです。彼のオープン戦での初先発は我々のチームが相手でした。すごくいいピッチングを見せていました。運命でしょうか。彼は素晴らしいボールをたくさん持っています。とてもスマートな投手です。彼には大きな敬意を表しています。そして、メジャーで成功してもらいたいと思っています。できれば、我々のチームとの対戦ではケンタサンには好投してもらいたくないのですが……」

 こう言って笑顔を見せたホール社長は、かつて野茂英雄氏が活躍していた時代のドジャースで広報部長を務めていた経緯がある。この時に野茂氏が全米に巻き起こしたトルネード旋風がホール社長に「日本人選手をロースターに入れたい」と語らせる原動力でもある。

 前田は3月5日、キャメルバック・ランチで行われたダイヤモンドバックスとのオープン戦でメジャー初の実戦のマウンドに立った。ミラーとの注目の投げ合いとなったが、前田は2回1安打2奪三振で無失点と好投し、ミラーは2回5安打2失点と明暗を分けていた。

 メジャー2戦目のダイヤモンドバックス戦で、前田は再び好投を見せることができるだろうか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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