【高校野球】 伝統校・横浜高の変革 平田新監督が取り入れた5つの新しい取り組みとは?
投手は週2日ノースロー調整「高校野球で終わるわけではない」
――身体と言えば、横浜高校の選手は全体練習中にも大きな重りを上げたり、そこかしこで軽いウエイトトレーニングをしています。
「昨年からフィジカルコーチに来てもらって、毎週木曜日はウエイトトレーニングの日にしています。この日はグランドでの練習はなし。自分で動きたいと思えば、個人練習としてキャッチボールなど軽い練習はしています。ウエイトトレーニングといっても、筋力をつけるというよりは、体幹を鍛えることが目的ですね。
加えて、ザバスさんに強力してもらって、簡単な栄養学セミナーも開きました。そこから選手の食に対する意識が少し変わったと思います。休憩時間におにぎりを頬張ったり、練習が終わった後にサプリメントを取ったり。そういう光景が随分当たり前になったかなと。腹が減ったという状態になる前に、常に栄養補給はしていると思います。この2つのおかげで、身体が格段によくなった生徒もいますね」
――若いうちに正しい知識を身につけて損はありません。
「多感な時期なんで、情報を与えるとどんどん吸収する。精神的なことで言えば、昔ながらの非合理なことが大事な時もありますが、これからは合理的なことを基本にしていかないといけないかなと」
――投手に週2日はノースロー調整させるのも、生徒の将来を考えた場合、合理的な取り組みと言えそうです。
「選手たちの野球人生は高校野球で終わるわけではない。もちろん、高校の3年間という限られた時間の中で成果を上げることも大事です。でも同時に、本当に才能のある子は、先々プロ野球だったり、侍ジャパンだったり、あるいはメジャーリーガーという風に夢が広がる。そういう大事な財産を預かったという意識を持って、慎重に育てていかなければいけないと思っています。
見方によっては、甘いと言われる部分もあるかもしれない。でも、コンディションにしっかり気を配りながら、選手の優れた個性を最大に伸ばすということと、トーナメントに勝つということは、決して相反することではない、同じ方向に向かうラインだと思うんですよ」