140キロ前後で三振量産の上原浩治、米メディア「絶えることない驚き生む」

高い奪三振率で世界一に貢献、「ボストンで彼がすぐに忘れ去られことはない」

 今季、上原は9イニングあたりで12.06個の奪三振を記録。これは40イニング以上を投げた投手ではリーグ9位の数字だった。上原より上位にいるのは速球派のリリーバーばかりだ。先発を務めていたオリオールズ時代の09年を含めても、キャリア通算の奪三振率は10.73と優秀な数字を誇る。

「ウエハラのファストボールは悪いわけではない。90マイル(約145キロ)に満たない投手がこれほど多くの三振を奪うことができるという、絶えることのない驚きを生み出した。PITCHf/x(投球速度や投球軌道を追跡するスピード測定器システム)の時代が始まってから、ファストボールおける三振率においてウエハラは20位(最低1000投球)に位置している。カテゴリーでトップ50位入りを果たしているリリーフ投手としては唯一、90マイルを下回っている」

 切れ味抜群の直球が相手にとって脅威となっていることは確か。ただ、相手打者にとって厄介なのは、それだけではない。記事では、「また彼は、リリーフ投手として最も優れたスプリットを投げるひとりだ」と絶賛。「打者のバランスを崩すため、ウエハラはいつでもこの2球種を使い分けることができる」としている。

 レッドソックス1年目の2013年、上原はシーズン途中からクローザーを任されると、73試合登板で4勝1敗21セーブ13ホールド、防御率1.09という圧倒的な成績を残した。ポストシーズンでもリーグ優勝決定シリーズでMVPに輝く活躍を見せ、世界一に大きく貢献。今季は、トレードで加入したクレイグ・キンブレル投手にクローザーの座を譲ったが、シーズン終盤はセットアッパーとして躍動した。その功績が色褪せることはない。

「クレイグ・キンブレルに仕事を譲ったが、ウエハラは2013年のレッドソックスの原動力だった。そして、ワールドシリーズの象徴だった。ボストンにおいて、彼がすぐに忘れ去られことはないだろう」

 痛快な投球でファンの心をガッチリと掴み、フェンウェイ・パークで大歓声を浴び続けた上原。驚異の直球で、新天地でも光を放ち続けてくれそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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