メジャーで今季最も費用対効果が高かった日本人は上原浩治!?
“お得”な低年俸の選手たち
上原と同じようにレッドソックスのブルペンを支えた田澤純一(27)も“超お買い得”だったと言える。昨オフに1年契約を結び直したが、その額はなんと81万5000ドル(約8000万円)。71試合に登板して5勝4敗、防御率3・16と故障せずにフル回転したことを考えれば、あまりにも安すぎる。2人の日本人は、その契約額の価値を遙かに上回る働きでリーグ最高勝率のチームに貢献したのだ。
お得と言えば、ブルワーズの青木宣親(31)も忘れてはならない。今季も低迷したチームの中で打率2割8分6厘と奮闘した。目標の3割には届かなかったが、125万ドル(約1億2200万円)プラス出場試合数による出来高が83万7500ドル(約8200万円)という年俸を考えれば、十分すぎるほどの数字だ。
しかも、契約延長のオプションを球団が持っている点も大きい。ブルワーズ側が望めば、年俸150万ドル(約1億4650万円)で来季まで契約を延長できるのだ。この金額でスター選手に値するだけの成績を残してくれる青木を手放すわけがない。ダグ・メルビン監督は、シーズン終盤から「素晴らしい選手だし、契約延長は考えるべきことの1つだ」と話し、残留を強く望んできた。来季も“お買い得選手”としてブルワーズ打線を牽引することは間違いない。
マリナーズの岩隈久志(32)も他球団から見ればうらやましい限りだろう。昨年の150万ドル(約1億4650万円)から、実力で大幅アップでの2年の契約延長を勝ち取り、今季は650万ドル(約6億3500万円)でプレー。1年間ローテーションを守り、33試合で14勝6敗、防御率2・66と日本人先発投手で最高の成績を残した。
絶対エースのフェリックス・ヘルナンデスが投手史上最高額の7年1億7500万ドル(約171億円)であることを考えれば、費用対効果は抜群にいい。シーズン終了後には、地元メディアがヘルナンデスではなく岩隈を「ベストピッチャー」に選び、シアトルでは異例の事態として全国的にもニュースとなった。来季も700万ドル(約6億8400万円)で契約が残っている。
では、年俸が高い選手は費用対効果が低いのか。いや、決してそんなことはない。