日本のドラフトの参考になる? 下克上が可能なメジャーリーグのドラフト制度
日米ドラフトの主な相違点
目前に迫った2013年ドラフト会議。独自のシステムで毎年多くの話題が生まれており、日本の野球ファンにとっては注目のイベントだ。一方で、海の向こうに目を向けると、アメリカではすでに6月にドラフトを終えている。それぞれ良さはあるが、両国の違いはどこにあるのだろうか。日本のドラフト会議を前に、日米の主な相違点を掘り下げてみたい。
まず目に付くのは開催時期と期間だ。「ファースト・イヤー・プレイヤー・ドラフト」と呼ばれるアメリカのドラフトは前述の通り、6月に実施。また、1日開催の日本に対し、3日間にわたって行われる。今年はその初日の6月6日に日本人高校生の加藤豪将がヤンキースからドラフト2巡目で指名され、大きな話題を呼んだ。
また、米国の制度で最も特徴的と言えるのは、全30球団の最低勝率チームから指名することができる「完全ウエーバー方式」であることだろう。このシステムのおかげで、メジャーリーグは戦力の均衡化を図ることが可能というわけだ。事実、“お荷物球団”と言われ続けたタンパベイ・レイズやワシントン・ナショナルズは全米1位で獲得したデビット・プライスやブライス・ハーパーらの活躍により、地区の上位に進出できるチームとなった。
さらに興味深いのはMLBでは1位指名ができないケースがあるという点だ。それはフリーエージェント(FA)となった選手を獲得した際に適用されるルールで、FA選手を獲得した球団はその補償として、場合によって、その翌年のドラフト会議での1位の指名権を前所属先の球団に譲渡しなくてはならないのである。