マー君のメジャー挑戦にも影響 ポスティングシステムはどうなる?
落札額の高騰が制度の変更に繋がっている
そもそも、MLB側が旧制度の破棄を申し出たのは、落札額の高騰が理由だった。2006年にレッドソックスが松坂大輔を約5111万ドル(約60億円)、2011年にはレンジャーズがダルビッシュ有を約5170万ドル(約40億円=いずれも当時のレート)と桁違いの額で落札した。交渉権を獲得できるのが1球団のみで、なおかつ入札金額が明かされないことが、高騰の原因と見られていた。
そこで、まず浮上したのが公開入札制度案。オークションのように入札金額を明らかにすることで、高騰を抑えようというものだ。どの球団がいくら入れたか分からないという状況では、何が何でもその選手を獲得したい球団が、飛び抜けた額を入れてしまう可能性がある。ならば、ギリギリのラインで落札できるようにしようというのだ。これは12球団の了承を取ったNPB側からの提案だったとされている。
次に注目されたのは、上位3球団に交渉権を与える案。3位以内に入ればいいとなると、落札額の高騰を防げる可能性がある。しかも、3球団の中からとはいえ、選手がチームを選べるというメリットもある。ただ、1位と3位に大幅な開きがあった場合、落札額を手にする日本の球団に大きな損失が出る恐れもあるため、これにはNPB側が反発している模様だ。
さらに、妥協案として一部報道で出てきたのが、上位2球団に交渉権が与えられるというもの。落札額の高騰を抑えつつ、選手が球団を選択することも可能になる。こちらもNPBとMLBの間で交渉が続いていると見られている。
さらに、ここに来て急浮上しているのが、旧制度を維持する案だ。交渉権が与えられるのは1球団のみで、入札金額も公開されない。そうなれば、松坂やダルビッシュの時と同じような仕組みで海を渡ることになる。