メジャーでマー君が陥る可能性が高い落とし穴とは? 日本人投手を苦しめる3つの要素
日本と比べて極端に硬いマウンド
日本と比べて極端に硬いマウンドも“難敵”だ。メッツでメジャー復帰を果たした松坂大輔の投球からは、今でもこの部分で苦労している様子が見えてくる。踏み出した左足が衝撃を吸収できず、左側にひねるようにして力を逃がしている。結果、制球が乱れてしまう。下半身主導の投球を教え込まれてきた日本人投手には、合わない作りなのだ。
今季、メジャーデビューを果たしながら右肘靱帯手術で離脱したカブスの藤川球児は、その対応に苦労していたことを明かす。アメリカのマウンドでは、上から投げ降ろすイメージに「近いものはあります」と説明する。さらに、マウンドの使い方も変えたという。
「日本では(プレートの)サードベース側を踏んで(左足の)つま先がクロスに入るくらいで投げていた。そうすると、(メジャーは)どうしてもマウンドが硬いので、右打者のアウトコースに投げるときに全体の負担がかかりますし、下半身で逃げることは出来ない。だから、マウンドに立つ位置を(真ん中辺りに)ずらしたりとかはしました。思い通りのボールが出なくて、1回目に(肘の負傷で)離脱したときに映像を見ながら何が原因なのかなと見たときに、マウンドに跳ね返されてたんで」
藤川はそう振り返る。田中は典型的な下半身主導のフォームではないものの、工夫が求められるだろう。
中6日から中4日へと変わる登板間隔の影響も小さくない。田中はタフなイメージが強いが、以前には中5日になるだけでも「きついですよ」と漏らしていたほど。2日間短くなるだけでなく、その間に長距離移動も必要なメジャーのスケジュールは堪えるはずだ。