マー君には不利な構造? 新たな本拠地となるヤンキースタジアムとはどんなところ?
冬は寒く夏は蒸し暑い、気候的にも厳しいスタジアム
気候的な特徴も厳しい。温暖で安定した気候の西海岸に比べて、ニューヨークには投手の敵となる要素が幾つもある。まず、冬は寒く、夏は蒸し暑い。開幕直後の4月の気温は、ナイターになると0度前後まで下がることも珍しくない。その寒さは、楽天の本拠地である仙台よりも厳しいと言えるだろう。デビュー直後の田中には最大の敵となるはずだ。
夏になれば、これが強烈な蒸し暑さに変わる。冬が寒い代わりに、夏は涼しい仙台とは大きく異なる。立っているだけで汗が溢れ出てくるような気候だ。しかも、メジャーでは真夏でもお構いなしにデーゲームを開催する。ダルビッシュ有の所属するレンジャーズの本拠地アーリントンのように、40度に達することはないが、十分に過酷な環境だ。
しかも、天気は安定せず、雨も多い。先発の予定がずれたり、試合開始を数時間遅らせることもよくある。先発投手としては、調整が難しい。黒田は「ドジャースの時は雨で遅れることもなかったですし、中止になってスライドしたり、日にちがずれたり、変わったりというのはあまりなかった。東と西でのピッチャーのコンディションの作り方は、こっちの方が難しい部分はあると思います。特にここ(ヤンキースタジアム)は屋根がないので」と話している。メジャーへの適応というのは、ボールやマウンド、登板間隔といった要素だけでなく、こういった部分も大きいのだ。
一方、スタジアムの施設自体は「さすがヤンキース」と思わせる部分も多い。まず、クラブハウスの広さはメジャー屈指。1人1人のロッカーも大きく、引き出しや、個人用のPCまで付いている。メジャーでは、ベテランに2つ分のロッカーを与えられることが多いが、その必要がないほど余裕のある作りだ。報道陣は立ち入ることは出来ないが、トレーニングルームなどの施設もメジャー随一の充実度だという。選手にとっては贅沢な環境が整っている。