中継ぎで好投のメッツ・松坂大輔 先発復帰の可能性はあるのか

松坂が先発に復帰するための条件とは?

 松坂の場合は、先発ローテの争いから“落選”したというよりも、リリーバーとして期待されている部分が大きい。11日のフィリーズ戦も2回を投げ、無安打無失点。また、12日のヤンキース戦では、中継ぎに配置転換となったメヒアも力のある球を投げ、好結果を残した。開幕から不安定だったリリーバー陣に、ここにきて希望の光が見え始めた。

 メッツの先発投手陣は14日時点でベテランのコローンが8試合で2勝5敗、防御率5・84、また、ウィーラーが8試合で1勝3敗、防御率4・53と不安定。ニースは7試合で2勝2敗、防御率2・17、ギーは8試合で3勝1敗、防御率2・73の成績を収めているが、広背筋を痛めて、今後2試合登板できなくなった。そのギーに代わり先発するのはまたも松坂ではなく、マイナーから昇格するディグロム。現状では松坂は先発の可能性は低く、日本でいう「勝利の方程式」に組み込まれていくだろう。

 14日の試合後には12日のヤンキース戦でセーブを挙げたファーンズワースが解雇になるなど、投手陣のドタバタは続く。リリーバーの松坂に頼らざるを得ない状況にもなってきた。

 このような状況を踏まえると、松坂の先発復帰には2つの条件が必要となる。1つは松坂以外の現状のリリーバーたちが整備され、安定すること。もう1つは、現在のローテーション投手たちの誰かが「先発失格」の烙印を押されることだ。

 しかし、現実としては考えづらい。むしろ、調子を維持すればするほど、その力強いボールを武器にクローザーを任される可能性の方が高くなってきそうだ。アルダーソンGMも「マツザカは中継ぎでいい仕事をしてくれている」と評価している。

 今季、松坂が最終的に担うのは先発か、あるいは中継ぎか、抑えか。先発から中継ぎへの配置転換によって選手寿命が伸びた選手も多く、最終的に何が成功かは分からない。ただ1つ言えるのは、松坂は必要とされるところで野球をやれているということだ。まだメジャーの舞台で十分にやれることを証明している松坂。その行く末にどんなドラマが待っているのだろうか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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