田中将大の右肘に負担をかけたのはスプリットの多投!? 米メディアは「エルボーキラー」の割合の多さを指摘
今季だけでも20人以上が肘の手術を受けているMLB
これだけの騒ぎとなった理由は、患部が肘だからだろう。現在、米国メディアは投手の肘の故障に敏感になっている。復帰までに1年以上を要するトミー・ジョン手術を受ける若手選手が激増しているのだ。成功例が多く、症状が初期の段階でも手術に踏み切る選手が多くなったことも理由の1つとして考えられるが、それだけでは説明ができないほど、“患者”は増えている。
今季だけでも、マーリンズのホセ・フェルナンデス、アスレチックスのA・J・グリフィン、ヤンキースのイバン・ノバら実に20人以上が同手術を受けた。
5月上旬には、メジャーリーグ機構のコミッショナーを務めるバド・セリグ氏が「何度も何度も恒常的に(トミー・ジョン手術を受ける投手が)現れている事実を憂慮している」と現状への危機感を示した。同月下旬には、アメリカスポーツ医学研究所(ASMI)が、なぜこれほどまでにトミー・ジョン手術が頻発するかを調査し、複数の原因を発表したほどだ。
ここに田中の名前が加われば、問題はさらに大きくなる。
そして、その原因が本当に「エルボーキラー」だとしたら……。仮に最短の6週間で復帰できたとしても、ヤンキースが田中にスプリットの割合を減らすことを求めるかもしれない。
7年1億5500万ドル(約158億円)の契約を結んだ黄金ルーキーには、万全の状態であってもらわなければいけないからだ。しかも、田中はすでにヤンキースの将来を照らす希望の光としてマウンドからあまりにも眩い光を放ち続けていた。名門にとっては絶対に失いたくない人材となった田中。この負傷が、ピッチングスタイルの見直しにつながる転機にもなるのだろうか。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count