大会ナンバーワン左腕・森田駿哉が甲子園で残した足跡

「岩城で打たれたのならば、仕方がない」

 第96回、夏の甲子園は大会11日目を迎え、富山商業が24日、3回戦で日本文理に5対6で敗れた。

 好調の北信越のチームの直接対決。富山商は大会ナンバーワン左腕と呼び声の高かった森田駿哉投手(3年)、日本文理はプロ注目の飯塚悟史(3年)が先発した。2人の投げ合いとなったが、軍配は飯塚に。森田は7回を投げ、140球、7安打3失点。味方が8回に4点を取り逆転したが、2番手の岩城巧(3年)がサヨナラホームランを浴び、夏が終わった。

 初戦の日大鶴ヶ丘戦では8奪三振。関西戦で11奪三振。そしてこの試合では9個。3試合で28個の三振を奪って、甲子園を去った左腕。最後はエースナンバーを争った岩城が打たれ、夏が終わった。「岩城で打たれたのならば、仕方がないです」とうつむことはなかった。

 左打者の外角低めへ沈むスライダー、打者の内角をつく直球は素晴らしかった。「甲子園は1球1球の応援が声援が興奮してくる。いいバッターと対戦できるのが楽しい」と話した甲子園のマウンド。8強とはならなかったが好投手としての印象を残した。

 全体練習が終わると、誰よりも最後まで自主練習をするのが森田だった。今では183センチ、79キロの大きな体も、入学時は15キロほど少ない体重で、線が細い印象だった。体を大きくしたのは、学校が指定する、ご飯が4合近く入る弁当箱の存在だ。

「ピッチャーの球速は体重からくる」と聞かされ、毎日その弁当いっぱいに白米とおかずを食べ、走り込みとスクワットで下半身を鍛えて、スピードと制球力を身につけてきたという。全国のレベルで戦える体を作った。

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