大谷の二刀流を成功に導いた、日本ハムの絶妙な“投打配分”
20歳時点での比較でMLBのスター選手となった先輩を上回る成績を残した大谷
今シーズン、大谷翔平(日本ハム)は観る者の想像を超えるスピードで成長を遂げた。「二刀流なのにすごい」という印象が先行するが、高卒選手のプロ入り2年目の成績としても、驚異的なものだった。
投手成績をダルビッシュ有(レンジャーズ)、田中将大(ヤンキース)の、打撃成績を松井秀喜(元ヤンキースほか)の2年目の成績と比較すると図表のような数字になる。
投球では奪三振の数で突出しており、対戦打者に対する割合だと大谷は28.1%という数字に達していた。ダルビッシュの18.3%、田中の21.9%を大きく上回っている。
さらに四球の割合も田中の7.4%には届かなかったが、8.9%とダルビッシュ(10.2%)よりもよい数字を残している。
そのバランスのよさが好影響して防御率も低かった。今年とダルビッシュの2年目(2006年)のリーグ平均防御率はほぼ同じで3.6程度だったが、田中の2年目(2008年)は少し高く3.90。田中の数字はやや高めに出ているが、それを考慮しても大谷の記録は3人の中で最も優れていた。今やMLBのスター選手となった先輩を、20歳時点では上回る能力を発揮している。
打撃では、打席数は少ないが松井秀喜の2年目(1994年)と同レベルの数字を残している。打席数を松井にそろえる換算を行ってみると、かなり近い数字となる。
確実に球史に名前を残す選手たちと、投打で同じレベルの成績を残しているのだから、規格外であることは疑いようがない。