侍ジャパンが画期的なメディア戦略に着手 野球人気を高める起爆剤になるか

地上波の中継と同時にインターネット中継を行うことを発表

 野球日本代表「侍ジャパン」が独自のメディア戦略に着手し、野球ファン、競技人口の拡大を目指す。

 日本野球機構(NPB)は4日、「2014 SUZUKI 日米野球」で有料(1試合300円、7試合パック1500円※いずれも税別)のインターネット中継(侍ジャパンインターネットライブ)を行うことを発表した。記念試合・親善試合を含む7試合(今月11日~20日)をウェブ上で中継する。

 日米野球は全試合で地上波の生中継があり、あくまで中継のメインは「テレビ」となるが、地上波で視聴できないファンやインターネットの使用頻度が高い若い世代の層にもリーチすべく今プロジェクトに踏み切った。テレビと同時にウェブ上でもライブ中継をするのは異例の試みだ。

 さらにインターネットでの中継では画期的な取り組みにも着手する。侍ジャパンとMLBオールスターチームが対戦する第1戦から第5戦までは日米アナリストによるデータ分析を活用した、これまでにない野球中継を計画しているのだ。

 ファンはインターネット上で試合中継と同時にコンピューターグラフィックスを活用した詳細なデータを閲覧することが可能。アナリストによる解説も楽しめる。侍ジャパンの山田哲人内野手(ヤクルト)なら「3球目以降の打率がNPBトップの打率.319、20本塁打」、内川聖一外野手(ソフトバンク)なら「2ストライク後のストレート打率はNPBトップ。2スイング目以降の打率が高い」というふうに選手の特長やシチュエーションごとの数値も紹介していく予定だ。

 プロ・アマが結束して発足した侍ジャパンはこれまでも公式サイト内で独自の情報発信を行ってきた。7月から編集部を設置し、各世代の大会ごとに取材者を手配。試合のニュースなどの配信を始めた。

 日米野球が近づいた先月22日からは「日米野球レジェンズ」と題して、過去の日米野球の名場面集も配信。今月4日まで随時公開された全26本には懐かしの必見映像がふんだんに盛り込まれている。

 その地道な取り組みが奏功し、先月9日の侍ジャパンメンバー発表の際は1日で100万アクセスを達成。7月から始めた公式ツイッターも3か月弱で2万人を超えるなど、侍ジャパンは順調にファンに認知され始めている。

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