日米野球に挑むメジャーチームは強者揃い 侍ジャパンは“世界連合”を打ち破れるか

8年ぶりに開催される日米野球、前回はメジャーチームの5戦全勝

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MLBオールスターチームが出場する7試合

 8年ぶりに開催される日米野球のため、メジャーリーグのオールスターチームが9日に来日した。これまでの日米野球は、両軍ともにオールスターチームが対戦していたが、今回から日本は代表チームの侍ジャパンを結成してメジャーチームを迎え撃つことになった。

 ご存じのとおり、侍ジャパンはWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)をはじめとする国際大会に出場する代表チーム。今回の人選も、2017年に開催が見込まれる次回WBCを見据えたもので、日米野球そのものが侍ジャパン強化試合として位置づけられている。

 昨年の第3回WBCで、それまで連覇を果たしていた侍ジャパンは、ドミニカ共和国代表に優勝をさらわれたわけだが、その時の反省を生かし、早い段階から準備に取りかかることになった。WBCに参加する各国代表チームを見てみても、これほど早くから次期大会に向けて動き出しているチームはない。前回大会では決勝戦にすら進めなかった侍ジャパン、そして日本野球関係者の悔しさがにじんでいる。

 強化試合というからには、相手チームにそれなりの実力者がいなければ意味はない。今回メジャーリーグ代表選手としてやってきた面々は、知名度の高くない選手も多いが、決して侮れない才能の持ち主ばかり。それぞれのバックグラウンドを見てみても、アメリカだけではなく、ドミニカ共和国、ベネズエラ、キューバ、カナダ、イタリア、そして日本など、各国代表としてWBCや国際大会に出場した経験を持つ選手が集まるだけに、言ってみれば“世界連合”のような意味合いを持ったチーム構成となっている。

 見どころをご紹介していこう。まずは投手から。投手で注目して欲しいのは、もちろん、岩隈久志(マリナーズ)、和田毅(カブス)の両日本人投手だ。ともに2012年に渡米したが、対照的な道を歩んだ。

 1年目の後半から先発ローテーションに定着した岩隈は、スプリットを武器とした安定感のある投球で並み居るメジャーの打者を封じ込め、サイ・ヤング賞の候補にも挙がる実力者となった。

 一方の和田は、渡米早々ひじの怪我に泣かされ、ようやくメジャーデビューを果たしたのは3年目の今季。それでも、7月下旬から先発ローテーションの一角として起用され、低めの制球を生かした投球術で信頼を勝ち取った。日本を離れて3年という月日を隔てた2人が、どう進化したのかを確かめるには絶好の機会だろう。

 日本人2投手以外の注目は、今季新人王候補にも挙がっているマット・シューメーカー(エンゼルス)だろう。決して球速で圧倒するタイプの投手ではないが、決め球ともなるチェンジアップを使った緩急のあるピッチングで16勝を挙げた。9月下旬に脇腹を痛めるアクシデントに見舞われながら、プレーオフでも力投。28歳というと、メジャーではやや遅咲きとも言えるが、これまでに培った熟練味のある落ち着いた投球が魅力だ。

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