【パ×Full-Count】統合10年目の結実 なぜオリックスは2014年に躍進を遂げたのか
シーズン最後まで優勝を争い、観客動員の伸び率はパ・リーグ最高
オリックス・バファローズは、今を遡ること10年前、オリックス・ブルーウェーブと近鉄バファローズが球団統合となり誕生したチームだ。さらに言えば、オリックス・ブルーウェーブは阪急ブレーブスをオリックスが買収し、生まれている。
そして1980年代以前に目を向ければ、関西地区には阪神タイガース、阪急ブレーブス、近鉄バファローズ、南海ホークスと、4つの球団がひしめき合っていた。現在、阪神と阪急は親会社レベルで経営統合を果たし、南海はソフトバンクホークスとして九州へ移転、そして近鉄と球団統合したオリックス・バファローズは、今も大阪へ居を構えている。
大阪という街はもともと非常に野球熱の高い土地である一方、大人気球団の阪神タイガースが存在することで、パ・リーグの各球団は常にその影に隠れがちだった。しかし、2014シーズンのオリックス・バファローズはシーズン最後までソフトバンクと優勝を争い、6年ぶりにAクラス入りを達成。2位でクライマックスシリーズに進出するなど躍進し、それに歩調を合わせるかのように、経営面も右肩上がりとなった。観客動員は前年比18.4%増となる170万3734人(1試合平均2万3663人)を記録、伸び率ではパ・リーグ最高だった。
オリックス・バファローズは統合後の10年で試行錯誤を重ね、2014年、ようやくその努力が結実した。その球団を牽引するのが、湊通夫専務取締役・事業本部長だ。
3年前に球団へやってきた湊氏は、様々な改革を行いながら、オリックス・バファローズの大阪での影響力を着実に高めてきている。湊氏は、どんな考えを持ちながら球団経営に携わっているのか。好調を支える裏側を、語ってもらった。