【パ×Full-Count】統合10年目の結実 なぜオリックスは2014年に躍進を遂げたのか
「嫌い」と意思表示してくれるファンはありがたい存在
――それが強烈な会員増に繋がっていくと?
「強烈ではないですし、まだまだです。やっと他の球団に追いついてきたかなという感覚です。実際、ファンサービスそのものは過去からやってこなかった訳じゃありません。イベントもかなり真面目にやっていまして、95年の優勝時などはもの凄くサービスも良くて、他の球団が見学に来るくらいだったんです。
それで、そのままだったら良かったんですが、球団の順位も低迷してきて、上手く歯車が回らなくなっていきました。そういう中で、統合を迎えてしまったんです」
――統合による難しさもありましたか?
「統合直後は、練習するときにも旧バファローズの選手とブルーウェーブの選手がバラバラにやっている、というようなこともありました。未だに元・近鉄のファンの方と話をすると、オリックスが嫌いだって人もいますからね。球場には見に来て頂いているんですが、昔の近鉄のユニフォームを着ている方が、現在もいらっしゃるんです。
ただ、僕としては“嫌い”と意思表示してくれているのはありがたくて、無関心の方にはアプローチしにくいじゃないですか、恋愛と一緒で。嫌いだって言っている人は、ある日突然好きになっちゃったりするじゃないですか、攻めていると。
だから、そこは逆に、嫌いだって言ってくれているのは、アプローチの仕方によっては好きになる可能性があるんで、嫌いな層が多ければ多いほど、パイが大きく存在していると前向きに考えています。
そこで、20代から30代の人を攻めるべきだと思っているんで、思い切ってイメージを大きく変えようと考えました。ユニフォームも全部変えて、もう軸はここですよ、新生オリックス・バファローズについてきてください、というのをやり始めたのが2014年なんですね」