【パ×Full-Count】「BsGirls」も起爆剤に ファン急増のオリックスが仕掛けた戦略とは

ファンクラブ会員数が1年間で1万4000人増となったオリックス・バファローズ

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オリックス 緒方貴弘企画事業部企画グループ長【写真:編集部】

 オリックス・バファローズのファンクラブ会員数が激増している。2013年シーズンの2万7000人から、なんと2014年シーズンは1万4000人も増加し、4万1000人となった。

 オリックス・バファローズは昨年から、CRM(顧客管理の情報データーベースシステム)を導入し、きめ細かなファンサービスを行っているが、システムを入れるだけで効果が出るほど甘くはない。果たして、どのような施策でオリックス・バファローズはファンクラブの会員数、そして観客動員を伸ばしていったのか。

 オリックス・バファローズで企画運営を一手に引き受ける、緒方貴弘氏(企画事業部企画グループ長 兼 ファンクラブグループ長 兼 宣伝グループ 兼 企画広報グループ 兼 イベント・運営グループ課長代理)に、現在行っている施策について詳しく話を聞いた。

 その裏にはavex traxからメジャーデビューを果たした、従来のチアリーディングとは一線を画すダンス&ヴォーカルユニット「BsGirls(ビーズガールズ)」の存在も大きく影響していた。

――2014年、観客動員数が大幅に伸びました。球団として打った施策を具体的に教えてもらえますか?

「2014年に“さらに、ひとつになろう”という合言葉を銘打ちました。

 オリックス・バファローズは、もともと阪急ブレーブス、オリックス・ブルーウェーブ、近鉄バファローズという3つの球団の流れを汲む球団です。そうした中で過去、球場のスタンドを見ていると、現在の球団であるオリックス・バファローズだけでなく、近鉄バファローズや阪急ブレーブスなどのユニフォームを着用したファンが応援し、神戸に行けばオリックス・ブルーウェーブのユニフォームの方が多く存在しているなど、ファンの方々が様々なユニフォームを着用して応援している状況でした。

 なんでロッテは黒、ジャイアンツはオレンジなど、同じチームカラーで球場が染まっているのに、ウチは色々なチームカラーが存在しているのだと言う声が、選手から上がるようになりました。そこで昨年から選手、監督・コーチ、ファンの方々、スタッフなど“みんなでひとつになって戦おう”というテーマを基にやっていこうと考えました。

 何を軸に“ひとつ”となるのかを考えた結果、演出や応援スタイルの統一や、ファンの方々が着用するユニフォームの統一を中心に置いて進めることにしました。それが、もともとの立脚点となっています。

 過去、オリックス・バファローズではファンクラブで選手が着用するユニフォームを配ることは殆どやってきませんでした。しかしBs spirits(ビーズスピリッツ)という象徴を掲げて、ネイビーのBs spiritsユニフォームを作り、去年からファンクラブ会員全員に向けて配る形を採りました。結果的にファンの方々の共感も得られ、ネイビーのBs spiritsユニフォームを着用することで、外野も内野もネイビーで埋まることになり、結果としてファンクラブの会員数は2万7000人から4万1000人まで増加したのだと思います」

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