得点力を効率よく高める補強をしたチームはどこ?(セ・リーグ編)
得点力をさらに上げる可能性のある広島、全体のバランスは悪くない中日
ヤクルトの次に得点を多く取った広島は、チーム全体で攻撃力を有していたのがわかる。100打席以上の打者15人のうちwOBAが平均を割ったのは4人のみ。攻撃力を発揮できるラインアップが組みやすい状態にあった。二塁手の菊池涼介、遊撃手の田中広輔など攻撃力を欠きやすいポジションに人材がそろっていたことが大きい。
キラ・カアイフエが退団したが、ヘスス・グスマンを補強しておりコマの数は不足していない。200打席ながら高いwOBAを記録した捕手の會澤翼が打席を増やし、石原慶幸の223打席分をまかなえば、現状よりさらにギャップを小さくできる可能性もある。田中や會澤らはまだ若く計算しにくい戦力だが、少なくともリーグ平均以上の攻撃力はチームとして維持しそうだ。
中日は、レギュラークラスでは全体的に攻撃力を大きく落とす選手を起用せずに済んでいた。しかし100打席未満の選手の成績は悪く大きなギャップとなっている。
遊撃手のアンダーソン・エルナンデスが最低限の攻撃力を示し、wOBA.316と粘れたのが効いている。成績を伸ばせなかった堂上直倫(261打席・wOBA.246)が年間通じて打席に立っていれば、中日はギャップを大きくし得点はさらに減った可能性がある。成長株に期待しながら、同時にバックアップをあてておくことでダメージを軽減した例だろう。このオフ獲得した外野手のリカルド・ナニータも、シーズンを通じた攻撃力維持のためのピースになりそうだ。