「長く野球を続けたい」 復活の狼煙を上げた新垣が山本昌から得たもの

「ここがまた、僕の新たなスタート」

 一緒にトレーニングをしたのはわずか2日。それでも、野球に対する考え方や意識を聞き、大いに刺激を受けた。

「1年でも多く結果を出して、野球をやり続けたいという思いが強くなった」

 今季にかける思いが一層高まった右腕は、自分でも分析を重ねた。オフの間に、13勝を挙げた2006年のソフトバンク時代の映像を何度も見返した。すると、「だいぶ肘の位置が上がっていた」と気づいた。

 09年に右肩を故障後、腕が上から出るようになっていた。「元々は横振りで投げていた。肘を下げる練習もしました」。本来のスリークオーターの位置まで肘を下げた。そのことで、課題だった制球も安定。昨年8月16日の中日戦(ナゴヤドーム)でセ・リーグタイ記録の4暴投をマークしてしまったが、この日は1暴投と2四球。劇的に改善した。

 10日に出場選手登録を抹消され、再びファームで調整することになった。だが、この試合のような投球を続ければ、次のチャンスは必ず訪れるはずだ。

「ここがまた、僕の新たなスタートだと思って頑張りたい」

 34歳の心は、まだまだ燃えている。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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