売りは打から投へ 驚異のチーム防御率1.74で首位のヤクルトはなぜ変貌?
昨季、防御率リーグ最下位と崩壊した投手陣が劇的改善、順位も最下位→首位と躍進
昨季、最下位に沈んだヤクルトが26日終了時点で単独首位に立っている。巨人との首位攻防戦は2勝1敗と勝ち越し。第3戦こそ巨人のルーキー高木勇の好投もあって敗れたが、2戦目までは強さを見せつけて連勝した。
好調の要因となっているのは、何と言ってもチーム防御率1.74の投手陣。セ・リーグの防御率5傑の中に、2位・石山(0.69)、3位・小川(0.76)、5位・石川(1.29)とヤクルトの投手が3人もランクイン。昨年はリーグ最下位の防御率4.62だったが、劇的な改善を見せている。
いったい何が起きたのか。
1991~97年にヤクルトでプレーしたOBで、日本ハム、阪神、横浜でもキャッチャーとして活躍した野球解説者の野口寿浩氏も「チーム防御率が1点台はすごいですね」と話す。そして、この投手力向上にはしっかりとした理由があるという。
「この間、東京ドームでの巨人戦に行った時に、野村克則バッテリーコーチに話を聞いたのですが、去年の秋季キャンプの時から『あまり窮屈になるな』『1点取られたら(切り替えて)次の1点をやるな』ということを口を酸っぱく言ってきたそうです」
野口氏はこう明かす。意識改革を施し、バッテリー間の意思疎通を密にしたという。
「『こういうところでこういう場面になったら、キャッチャーはこういう考えをして、こういうサインを出しますよ』と(投手に)勉強させた。キャッチャー心理などを伝えているそうです。逆に、ここからはおそらくですが、(投手コーチの)高津さんや主力のピッチャーは、ピッチャー心理について(正捕手の)中村に伝えているはずです」