【小島啓民の目】交流戦も首位を快走 指導的要素から見るソフトバンクの強さとは
ソフトバンクを支える「体作りの専門家」、チーム強化のために多方面に目を向けるホークス
この方、ボディービルの世界では超有名人。全日本ボディービル選手権6連覇など、その方面で輝かしい成績を収めていらっしゃいます。現在は、私の地元・長崎で筋力強化のジムを運営されています。とは言え、野球の経験は全くなしです。選手たちに筋力トレーニングの大切さを説き、よくアドバイスを求められていると聞きます。
私との出会いも、率いていた社会人野球・三菱重工長崎の選手の体が一生懸命練習しても大きくならないことから、体づくりの専門家に相談してみようと考えた時に、たまたま同社のラグビー部監督より紹介を受けたというものです。即効性があり、さらには野球の動きに直結する体づくりという視点からトレーニング方法の説明を受け、さらには栄養管理の話も徹底的にレクチャーを受けました。
もちろん、この後もチームトレーニングコーチとして育成に関わっていただいたことは言うまでもありません。当時、1日5食、プロテイン6回の摂取を義務づけていたことは、社会人野球界では逸話になっています。それを私は義務化しました。ホークスも多方面に目を向け、耳を傾けているから、若い選手がどんどん育っているのでしょう。
このように強化に力を入れているソフトバンクホークスですが、これ以上に強いチームづくりがされているのは、王さん(元監督)と小久保選手(現侍ジャパン監督)の師弟関係で構築された強いリーダーシップが基礎となり、それが内川、松田へと受け継がれているように感じられます。強いチームには、優秀な指導者が必要ですが、それ以上に選手の中に強力なリーダーシップを発揮する選手が必要です。監督の意志をチームに根付かせていく存在が必要なのです。