交流戦が「混セ」を演出 なぜ伝統的にパ・リーグが強いのか
例年は強さを見せる巨人が失速、セのチームにはチャンスが広がった?
逆に、セ・リーグの本拠地で試合をするときには、パ・リーグの球団は1人余裕が生まれると考えることが出来る。
「1人余って、代打が2人いることになる。どんどん(攻撃的に)行けるんです。さらに、最近のピッチャーの分業制で、後ろに何人もいるじゃないですか。しかも、見回してみると、セ・リーグよりもパ・リーグの方が後ろの人材が豊富。普段から相手が打つから鍛えられてます。だから、交流戦になると目立ちますよね。後ろに人材が豊富なら、(セ・リーグ本拠地でも)どんどん代えていける」
例外として、セ・リーグながら毎年、交流戦で強さを見せるのが巨人。今年は失速したものの、野口氏は「基本的に故障者続出で戦えなかっただけです。巨人は毎年、普通に戦っていける」と指摘する。実際に、過去には交流戦を2度制覇(12、14年)。ここで他チームに差をつけ、ペナントレースで独走態勢に入ることも多い。巨人が例外である理由は簡単だという。
「人材があるからでしょうね。あそこは、人材があるから、1人余計に使えると思ったら楽ですよね。本当は守らせないでバッティングだけに専念させたいなっていう選手がいるじゃないですか。それをDHに回せばいいんですから。
例えば、アンダーソンより守れて、打力もそこそこある選手が入ればいいわけですから。だた、それだけです。人材が豊富なので。しかも、打力はそこそこどころか、もっと使いたいなっていう選手がいるでしょうからね」
交流戦を終えて、巨人は首位に立っている。しかし、最下位の広島までは、わずか4・5ゲーム差。リーグ3連覇中の王者がここで独走態勢に入れなかった今年は、他球団は大きなチャンスを手にしたとも言える。大失速しながら2位につけるDeNAも、最下位の広島も、ここからの戦い次第で形勢逆転が可能だ。
今年の交流戦が「混セ」を演出したのは間違いない。一方で、来季も「実力のパ」は変わらないのか。それともセ・リーグ球団が変化を見せるのか、興味は尽きない。1年後、セ・パ両リーグの戦い方の違いに注目して試合を見てみると、面白いかもしれない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count