注目浴びるスタジアム建設費 MLB球場はどの程度? ヤンキースは完成後批判も…
完成後に批判の声が高まったヤンキースタジアム
新国立競技場の原案とは約4億ドルの差があるが、多目的競技場ではなく野球場として建設されたことも1つのポイントだろう。年間で考えると、ヤンキースの本拠地試合が開催される81日は最低限稼働。これに加えて、コンサートやサッカー、NHLの試合が行われることもあるが、フィールドそのものが100日以上稼働することはない。
ニューヨークにある両球場は、ともに建設費の約6~7割をニューヨーク州とニューヨーク市が補助しているため、約13~15億ドルは税金から賄われている計算だ。もちろん、多額の公的資金投入に反対意見も飛び出したが、批判の声が高く上がったのは、むしろスタジアムの完成後。チケットの値段が上昇し、野球観戦が高価な娯楽になってしまったからだ。この年、ヤンキースのバックネット裏最前列は約2500ドル(約30万円)の値段がついた。
開閉式屋根のついた球場で最も建設費が掛かったのは、2000年代ではマイアミに建つマーリンズパークだ。5億1500万ドルが投入されたこの球場は、マイアミーデード郡が約7割の資金を負担している。
マーリンズより3000万ドル多い5億4500万ドルの建設費を掛けながらも、開閉式屋根の設置をあきらめたのがツインズの本拠地ターゲットフィールドだ。札幌とほぼ同じ緯度に位置するミネアポリスは夏が短いため、屋根の設置は必然かと思われたが、開閉式屋根を取り付けると1億ドルも予算オーバーすることが判明。出資者のツインズ、ヘネピン郡らが、いずれもさらなる負担を拒否したために屋根なしになった経緯がある。