海外FA権取得の青山などが候補に? 日本版“フラッグディール”はありえない話か

MLBの風物詩“フラッグディール”とは…、優勝に向け、ブースターを獲得するトレード

 メジャーリーグの風物詩のひとつにフラッグディールというものがある。チャンピオンフラッグを勝ち獲るためのディール(取引)、つまり優勝争いを視野に入れた球団が、他球団の主力選手を獲得し、目的を達しようとする動きのことをいう。一般的にはトレード期限の7月末に交渉がまとまる。

 取引には、不振の球団で活躍するベテラン選手と、優勝が狙える球団の育成段階の選手が絡みがちで、ボストン・レッドソックスの上原浩治らにトレードの噂が飛び交う背景にも、そうした風習がある。

 映画『マネーボール』で、オークランド・アスレチックスのGMビリー・ビーンが、あちこちの球団に電話をかけ言葉巧みに交渉をまとめるシーンがあるが、あれもフラッグディールの様子を描いたものである。

 こうしたトレードは日本ではほぼ見かけない。選手を商材、モノのように扱う取引に映ることもあり、日本のプロ野球ファンには抵抗があるかもしれない。だが、「長年優勝していない球団に優勝のチャンスが訪れたが、勝ち切るための戦力がわずかに足りない……」といった場面であれば、日本でもフラッグディールが1つの肯定的な選択肢になってもよいのではないか。

20150729_FC038 _001
日本版フラッグディールの検討

 メジャーリーグでまずフラッグディールに絡んでくるのは、オフにFAとなる選手、球団を離れる可能性のある選手だ。

 今季のプロ野球では、松田宣浩(ソフトバンク)と青山浩二(楽天)らが海外FA権を、石川雄洋(DeNA)、藤井淳志(中日)、小窪哲也(広島)らが国内FA権を取得した。

 だが、松田や石川がフラッグディールに絡む絵は描きにくい。ソフトバンクは優勝が見えているし、DeNAも混セを戦っている最中。彼らがFA権を行使して移籍を希望しているという声も聞こえてきていないためだ。

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY