【高校野球】屈辱からの頂点 東海大相模を全国制覇に押し上げた「1年前の苦い記憶」
同じV有力候補での屈辱、「昨年の悔しさだけはずっと…」
昨夏の選手権大会。東海大相模は、今夏と同じか、それ以上のV有力候補と見られていた。
当時2年生だった小笠原と吉田に加え、エース右腕・青島凌也、190センチ右腕・佐藤雄偉知という140キロ台の直球を投げる駒を4枚揃え、高校球界では異例の「140キロカルテット」として、大きな注目を集めていた。
2回戦の盛岡大付(岩手)戦。相手エースはプロ注目の150キロ右腕・松本裕樹(現ソフトバンク)だったが、当時は右肘の故障持ち。強行登板する形となり、戦前の評判では圧倒的に「相模有利」とみられていた。
マウンドに立った松本は、打撃投手のように力のないフォームから130キロ台の直球と変化球で交わす投球。しかし、東海大相模は初回に2点を先制こそしたが、その後は凡打の山を築いた。しかも、先発した青島が2-1の6回に3失点で逆転を許す。9回に1点を返したが「あと1点」が遠く、3-4でまさかの敗戦を喫してしまった。
勝利した試合後でも「今日の試合のことは忘れる。過去は振り返らない」が口癖の指揮官だが、今になっても当時のことになると表情は一変する。
「昨年の悔しさだけは今もずっと残っています」