【小島啓民の目】ネット裏から見た日本野球の未来 U18日本が頂点に立つために必要なこと
点差以上に差があった日本と米国の打力
お互いに投手の出来はまずまずでしたが、大会を通じて3試合目となった佐藤世那投手はやや疲れも残っていたのではないでしょうか。やはり代表チームとなれば、自チームで試合を行なっている以上のプレッシャーがある上に、取材協力など様々な対応を行わなければならず、精神的な疲労はあったはずです。
打線は大会を通じて日本らしく隙のない走塁を機軸に攻め立て予選ラウンドから非常に良い攻撃を展開していたように感じます。特にオコエ瑠偉(関東一)の身体能力の高さには驚かされました。阪神タイガース、日本ハムで活躍された新庄剛志氏を彷彿とさせるようなプレー振りでしたね。ベストコンディションでなかったのは残念でしたが、非凡さを発揮したのではと思います。
注目された清宮幸太郎選手(早稲田実)は、日本の4番打者として堂々とプレーをしていましたが、後半戦は見えないプレッシャーとの戦いに苦しんでいたようですね。しかしながら、清宮に代わる4番打者も見あたらなかったので、致し方ないような気がします。
少し腕力に頼るバッティングの癖があるようですから下半身を中心としたスイングに磨きをかけ、不動の4番打者として代表チームを牽引していってもらいたいですね。いずれにしても高校1年生という年齢を考えれば、立派な活躍ぶりでした。
アメリカとの力の差は感じませんでしたが、やはり打撃の怖さという点では迫力不足です。特にスイングの速さはやや劣るように感じますし、実際、大会を通じて1本しか本塁打がありませんでした。甲子園大会であれだけ本塁打を放った選手たちですが、木製バットとなると勝手が違ったという感は否めません。