6年ぶりの2軍V 巨人・岡崎郁監督が自身に課したもの
2軍を経験した若手が奮闘したからこそ優勝を争う位置にいる
技術を教え込むのではない。考え方、広い視野を持たせてもう一花咲かせてほしいと願ったのだった。若手を育てながら勝つという2軍の宿命に加え、ベテランをどう再生させていくかという課題にも立ち向かっていた。
選手層が厚いため、簡単に1軍に上がることはできない。しかし、上がった選手は軒並み結果を出し、堂上剛裕や大田泰示らも昇格即、活躍。原監督もファーム指導に対して「2軍で選手たちはいい時間を過ごしていると感じた」と高く評価した。内田2軍打撃コーチの腕もあったが、原監督の賛辞は岡崎監督以下、首脳陣すべてへ向けられていた。
力がありながら1年間2軍暮らしだった選手も多いため、全員にその指導が行き届いたわけではない。だが、例年より主力打者が奮わない今年の1軍にあって、立岡や堂上、吉川大幾、岡本和真、けがから復帰しサヨナラ打を放った寺内崇幸、不振から一皮むけた小林誠司など、2軍を経験した若手が奮闘したからこそ、優勝争いをできる位置にいる。投手も同様で、田口麗斗も20歳なりにローテの谷間で投げてきた。田原誠次もこの終盤にきて重要なセットアッパー役を担っている。2軍の育成力がなければ、もっと上位と差が開いていただろう。
1軍を支えながら、イースタンを6年ぶりに制した。しかし、ペナントの行方が決まるまで、岡崎監督の戦いは終わらない。本当の真価が問われるのはこれからである。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count