一流IT企業を辞退して選んだ独立リーグの舞台 NPB研修審判員が描く未来
正式採用には狭き門、夢に向かう気持ちは選手と同じ
古賀審判員は「支える側に変わったとしても、気持ちは変わらない」と話す【写真:編集部】
研修審判員から正式に採用されるのは今年の秋季教育リーグでの評価次第で、来季NPBに昇格できるかどうかが決まる。
「自分のしてきたことに自信や誇りを持てるようになりたい。そのためには周りから信頼される審判になること。正しいジャッジはもちろん、一緒に試合を作る仲間に対する気持ちを大事にしたい」
22歳の研修審判員は自らの未来についてこう語る。古賀だけではなく、研修審判員は同リーグにもう1名、BCリーグにも3名がNPBで審判を務めることを目標にして研鑽の日々を送っている。そしてさらに、今年の同時期にも関東・関西の2か所に拡大され、第3回アンパイア・スクールの開講される。そうやって再び狭き門を潜り抜け、審判の道へ足を踏み入れる若者が生まれていく。
「支える側に変わったとしても、上達するという点ではプレイヤーの時と気持ちは変わらない。感情的な変化はありません」
プロ野球の舞台において、確かに彼らは主役ではないが、その人知れず重ねられた努力で試合は成り立っている。古賀を始め、厳しい鍛錬を乗り越えてようやく華やかな舞台に立つことができる彼らには、選手たち同様、夢に向かっていく意志が確かに存在している。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count