WS進出球団に見るメジャーのトレンド 「自家栽培・自給自足」の時代へ
ロイヤルズとメッツの頂上決戦、両球団を牽引した生え抜き選手たち
ア・リーグ覇者のロイヤルズが、ナ・リーグ覇者メッツを圧倒して終わった今季のワールドシリーズ(WS)だが、頂上決戦でしのぎを削った2チームは、チーム構成上、非常に似通った点の多いチームだった。そして、近年メジャーでトレンドになりつつある「自家栽培・自給自足」タイプのロールモデルだと言えそうだ。
まず、チーム構成上、両チームはどんな点が似ていたのか。一つは、若手生え抜き選手がチームの主力となっていること。そして、もう一つは、若手に足りない経験を持つベテランをフリーエージェントやトレードで獲得したことだ。ヤンキースやレッドソックス、ドジャースのように潤沢な資金を持たないチームでも、確かな目とちょっとした工夫があれば世界一の座をつかみ取れると証明したシーズンでもあった。
ロイヤルズの場合、先発野手のうち4人が生え抜き選手だ。先日FA宣言をしたが、左翼ゴードンは2005年ドラフト1巡目(全体2位)指名だった。三塁ムスタカスはその2年後2007年ドラフトの1巡目(全体2位)指名で、一塁ホズマーはその翌年2008年ドラフトで1巡目(全体3位)指名された。ワールドシリーズで最優秀選手賞(MVP)を獲得した捕手ペレスは、16歳だった2006年にロイヤルズとアマチュアFA契約を結んでいる。
投手陣では、時速100マイルに達する豪速球を投げる先発ベンチュラとセットアッパーのヘレラは、それぞれ2008年と2006年にアマチュアFAとして契約。トミー・ジョン手術から復帰し、プレーオフでは9試合に登板し、10回2/3を無失点に抑えたホチェーバーは2006年ドラフトの1巡目指名で、全体でも1位に指名されている。