致命的ミス、起用法、伸び悩む右腕… DeNAが最下位に沈んだ理由【投手編】
“我慢の起用”ができず? 「首脳陣が信じきれてやれなかったのかな」
「中畑監督が堪え性がなかったかな。例えば、ずっと継続して良かったピッチャーでも1回、2回とやられると(2軍に)落とすでしょ。先発、中継ぎしかり。田中健二朗なんてそうじゃないですか。首脳陣が信じきれてやれなかったのかな。それがちょっと流れをつかめなかった要因のような気がするんですよね。
『このポジションはお前に任せたよ、どんだけ打たれたってお前が行くんだよ』という感じにしてあげないと。あの山口(巨人)だってそういうこともあるんだから。だけど、原さんは上手く間を空けたりしながらも、あのポジションを山口以外の投手には任せなかったでしょう。そういう違いはあると思うんですよね」
143試合と続くシーズンだけに、一時の不振だけで判断せず、“我慢の起用”が必要だという。
「やっぱり『この選手が活躍してくれないとうちはしんどいぞ』っていう選手って、絶対いるはずなんで。そういうピッチャーを簡単に落としてしまう。代わりがいるのであればいいのですが、いないのに落として、代わりに上げてきたピッチャーがそれだけの活躍が出来たかといえば、出来なかったからこうなっているので。
だったらそこを抹消しないで、帯同させながら、少し間を空けさせながら復活させていく道はなかったのかなと。たとえば今まではクリーンアップとかで左が続くところで投げていた左ピッチャーを、下位打線の左が2人続いているところにぶつけてみる。または、8回を任されているピッチャーを7回に出すのは問題ないと思うんですよ。そういう柔軟な起用方法は出来なかったのかなと」
今季はクローザーとして山崎康が新人歴代最多の37セーブを挙げたものの、結局、その前を投げる投手を固定することはできなかった。
「山崎につなぐ前に、ひっくり返されたり、追いつかれたり。そういう風に流れていくと、どんどんやられるイニングが早くなっていくんです。そうすると先発がやられたりするんでね。そういう方向にすべてが向いてしまったから、沈んだんじゃないですかね」。
野口氏は、1年間を通して信頼できる継投策を確立できなかったことも失速の要因として挙げた。