バンデンハークに続け! 「米国以外」で戦ってきた新助っ人の活躍を占う
環境が変わっても適応してきたバンヘッケン
さらなる共通点として、2010年に米マイナーAAA級パシフィック・コースト・リーグ(PCL)でプレーしていることがある。より過去の成績ではあるが、同一環境での成績は4投手の能力の関係性をつかむ材料になる。
PCLでの成績と比較すると、KBOでのK/9(登板9イニングあたりの奪三振数)や防御率は4投手とも数字を改善させている。これは両リーグの平均の数字を見ればわかるように、2010年のPCLのリーグ防御率が4.78(平均得点5.2点)、2013年KBOの防御率は4.32(同4.6点)とPCLの方が得点が入りやすく、打者が力を発揮している環境だった影響が大きい。
セドンとバンヘッケンは時と場所が変われども、数字の変動が小さいのは興味深い。同じ左腕で奪三振能力はバンデンハークやリズに比べると低く、KBOでは奪三振を増やしたが、与四球も増加している。また4人が同時にプレーした年の翌年(2014年)、KBOは突如得点環境が変わり、投手は成績を伸ばしにくい状況が訪れた。それでもバンヘッケンは成績を改善させている。KBO以外の台湾でのプレーや、アメリカ代表としての国際大会出場などの経験を生かした環境への適応能力は高いのかもしれない。36歳という年齢が不安材料ではあるが、日本でも円熟味あふれる投球を期待したい。
バンデンハークはKBOでBB/9(9イニングあたりの与四球数)の向上を見せたが、リズは逆に悪化している。リズは別に20死球も与えており、荒れ球だった。これは環境の変化でも解消されなかったリズ自身の特性と考えるべきだろう。それでも昨年は米マイナーAAA級インターナショナル・リーグで、制球難を奪三振力で補って好成績を残している。ここまで2試合10人の打者に対し奪三振と与四球はともに2。四球を抑え三振を伸ばしていけるかが活躍のカギであるのは間違いない。