バンデンハークに続け! 「米国以外」で戦ってきた新助っ人の活躍を占う

メキシカン・リーグは強打者生産に定評あるも…

 メジャー・リーグのロースターの管轄外であるメキシカン・リーグの大物選手を獲得するケースも近年多い。今年も楽天が体重135kgとも伝えられる巨漢、ジャフェット・アマダーを獲得した。アマダーは昨年のメキシカン・リーグで41本塁打を放ち本塁打王と打点王に輝いている。年度MVPも獲得した。

 メキシカン・リーグで年度MVPを獲得しその後日本にやってきた選手には、2009年のディオニス・セサル(中日)、2011年のルイス・テレーロ(楽天)、2012年のミチェル・アブレイユ(日本ハム)らがいる。彼らに、やはり好成績を残し日本にやってきたビクトル・ディアス(中日)、フアン・ミランダ(日本ハム)、バーバロ・カニザレス(ソフトバンク)を加え、来日前年と来日1年目の成績をまとめた。

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メキシカン・リーグから日本にやってきた野手

 メキシコ時代の成績を見ると、全員がOPS.900を超え、1.000以上の驚異的な成績もある。これはメキシカン・リーグがPCLのように得点の入りやすい環境だったことが大きく影響しているとみられる。メキシカン・リーグでは平均得点は5点を超えるシーズンがしばらく続いていた。

 来日1年目の成績は、本塁打王を獲得したアブレイユの例はあるものの、いずれもメキシカン・リーグでの成績と比べると見劣りする成績に終わっている。これを素直に受け取ればメキシカン・リーグでの活躍は、日本での成功を約束しないということになるだろう。

 ただし、彼らの起用のされ方については酌量すべき部分もある。彼らの年俸は最高でもミランダの5000万円(推定)で米球界から獲得する選手に比べると安く、獲得する球団にとってはリスクの小さな投資だ。「活躍してくれれば掘り出し物」という感覚であった可能性もある。それが理由か、順応のために必要な十分な打席が与えられずに、構想から外れていったケースもあるとみられる。

 しかし、日本ハムについてはそうした推測を否定する姿勢がうかがえる。2013年にはアブレイユを戦力化し、2014年にはなかなか成績を伸ばせなかったミランダにも最終的に427打席を与えた。昨年はメキシカン・リーガーではないが1億円に満たない年俸と伝えられるブランドン・レアードを我慢強く起用し、チーム最高の34本塁打を打たせた。異国に適応するまでの時間と機会に対する考え方は、他球団とは少し違っているように映る。

 活躍できずに日本を去ったメキシカン・リーグの強打者の中にも、日本ハムのような起用をしていれば力を発揮した者もいたかもしれない。

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