日米で負傷経験の岩村明憲、球界で進む危険交錯プレー禁止をどう見る?
なぜメジャーで日本人二塁手の需要が増えない? ホークス川島負傷にも独自見解
三塁からのコンバート後、自身もプレーした二塁では「スライディング」の問題が取り沙汰される。
「セカンドの(日本人)市場が上がらないのは、スライディングの問題でしょ。たまたま俺がやられて、(松井)稼頭央さんがやられて、(西岡)剛がやられて、去年は韓国人の姜(正浩・パイレーツ)がやられて。姜にスライディングをしたのが、俺も怪我に追い込まれたコグラン(カブス)だったでしょ。俺と姜は同じエージェントなんだよね。最初は仕方ないプレーだったって言ってたけど、『あいつはアキにもやった』って聞いたらブチ切れしたらしいよ(笑)」
併殺プレーを崩すために必死でスライディングを仕掛ける一塁走者と、併殺プレーを完成させるために二塁ベースカバーに入る二塁手や遊撃手。両者の必死な思いが、時に大怪我につながってしまう。先日、4月3日のソフトバンク-日本ハム戦で、二塁ベースカバーに入ったソフトバンク二塁手・川島と、スライディングを仕掛けた一塁走者の日ハム田中が衝突し、川島が負傷交代する場面があった。このプレーについて、岩村氏は独自の見解を語った。
「あのスライディングは、怪我をさせようなんて全然思っていないと思う。だって、スパイクの歯を見せているわけではないし、足元にスライディングにいけば、体勢を崩してコケてくれるから、一塁には投げられないってなるからね。俺がスライディングを受けた時は、コグランの胴体がヒザに入ったから、ヒザが逆に曲がった。足だけのスライディングじゃなくて体全体で来たら、それはタックルと一緒だよね。 川島と賢介の場合、あいつら同じ日ハムでプレーした仲間だからね(2006~7年)。余計に怪我をさせようなんてものはないはず。俺が取り締まるべきだと思うのは、スパイクの歯を見せるスライディング。これはダメ。怪我をさせるつもりはなかったって言っても、スパイクの歯を見せるのは意思が出ているからね。
一度、ボルチモアでの試合で、二塁で走者をタッチアウトにしてから一塁に投げようとしたら、一塁走者だったモーラが体当たりしてきた。結果としてアウトは1つしか取れなかったんだけど、モーラに『何だお前?』って言ったら『普通の走塁だろ?』って言われたんだよね。当時、俺は知らなかったんだけど、これがメジャーの野球文化。だから、侍ジャパンに行った時も『こいつらは普通にタックルしてくるから気を付けろよ』って言ったんだ。逃げる技術も必要なんだよね。昔のショートやセカンドの人はジャンピングスローで、スライディングを想定しながら、走者から逃げて投げていた。そういう技術も必要だよね」