日米で球場を盛り上げるさまざまな応援の形

マイナー球団では過剰演出に音響担当が退場処分も

 米国ではチームがピンチになった時、そしてチャンスの場面で応援のギアを上げる。緩急をうまく使い分けることで、球場の雰囲気を作り出している。

 満塁の場面、米国では「Ducks on the pond(池にいるアヒル)」という言い回しが存在するが、その場面でホーム側が流す音楽は相手に危機感を漂わせる。ビッグスクリーンや音楽もチームの一員となるぐらいの演出で球場の応援を盛り上げ、相手を威圧する。まさにホーム全体の総力戦だ。

 だが、その矛先を審判に向けると痛い目に合うこともある。2012年、シカゴ・カブス傘下であるデイトナ・カブスの試合で球場音楽を担当していたインターンが行き過ぎた演出をして、退場処分を言い渡されたことがある。

 試合中いくつか疑問が残る判定が続き、球場で「Three Blind Mice(スリー・ブラインド・マイス)」という歌を流した。その曲名は直訳すると「三匹の盲目のねずみ」だ。この音楽を審判は侮辱行為と見なし、球場音楽担当が座るプレス席に向かって退場を言い放ったのだ。

 米国では行き過ぎるぐらいの演出が時にあるものの、球場に流れる音楽やリズムが雰囲気を作り出し、ホームアドバンテージを生む。そして演出が足りないと感じた時、自然に起こるウェーブやスタンディング・オベーションなど人間味溢れる応援も多く、バラエティー豊かな応援が球場の雰囲気を非日常空間とする。

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