絶対王者に異変 今季初6連敗のホークス、苦境の原因と今後の打開策は?
オリックス戦ではオーダー変更も…
選手個々で見ても、当たっている選手がいないのが現状だ。12日に4タコ2三振に終わった柳田は一時3割に乗せた打率が2割9分2厘に下降。開幕から3割を維持し続けていた4番の内川聖一も8月に入って下降戦。ついに3割を切り、打率2割9分6厘まで落ち込んでいる。
工藤公康監督はじめ、首脳陣も手を変え、品を変え、打線の活性化を図っている。10、11日のオリックス戦(京セラD)では、監督就任以降、3番に置き続けてきた柳田を1番で起用。12日は柳田を3番に戻し、今季初めて中村晃を2番に置いたが、どれも結果には結び付かなかった。
「チャンスを全部モノに出来たら、問題はない。モノに出来ないから、動いていこうと。裏に出れば、ああなる。選手を責めるつもりはない」
「耐えないといけないときもある。結果として出るまで耐えるしかない。その中で動くことは考えます」
指揮官はロッテ戦後にこう語った。自らに言い聞かせるようにも思えた。
もともと、能力の秀でた選手が集まっているソフトバンク。鷹打線の中でも、柳田、内川、そして、長谷川勇也、松田宣浩、中村晃と並ぶ打線は看板だったはずである。この軸を中心に、一時30を超える貯金を生み出してきたのである。苦しい今だからこそ、チームの核を信じ、託してもいいのではないか。チーム全体に蔓延する妙な危機感が、先のあり得ないようなミスに繋がっているのでは――。あれこれと動くのではなく、どっしりと腰を据えて、原点に立ち帰るのも選択肢の1つだろう。
2位の日本ハムも直接対決を終えて以降、1勝3敗。ライバルの“お付き合い”で3ゲーム差にとどまっていることが、せめてもの救いか。苦境をどう打破するか。工藤監督の手腕に注目だ。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count