松坂大輔がプエルトリコで掴んだもの 怪物復活への「2つの変化」
投球スタイルも変化…かつての剛球ではなく多投した球種とは
初回を三者凡退に切って取ると、その後も凡打の山を築く。6回まで無失点投球。7回に連打を浴びるなどして1点を失ったが、右肩手術後最長となる7イニングを投げ、3安打1失点。課題だった制球も2四球にまとめた。
最終的にプエルトリコでは4試合に投げ、投球回は20。被安打13、四死球11で防御率2.70だった。初登板時の内容が成績を押し下げているが、カロリーナ側から、プレーオフでの戦力としてチームへの残留を求められたことからも、投球に安定感が出てきている証左であるといえる。
当地での登板で変化したのはノーワインドアップだけではない。投球スタイルにも変化があった。150キロ超のストレートの剛球で打者を封じてきたが、プエルトリコではツーシームを多投していたという。これまでもツーシームはカットボールとともに松坂の持ち球にはあった。だが、配球の中心はやはりストレート、そしてスライダーだった。
それがプエルトリコではツーシームを多く織り混ぜ、打たせて取るピッチングを見せたのだ。今季で37歳となる右腕。これまでの真っすぐで押すスタイルからのマイナーチェンジが、復活への足がかりとなるのか。
3年契約最終年。1月は米国でトレーニングに励み、下旬に日本へと戻るものとみられる。背水の陣に立たされていると言っても過言ではない右腕が、どんな2017年を送るだろうか。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count