揺れる米殿堂選手の投票基準 元選手が仰天告発「2人がステロイドを…」
“疑惑”選手の候補者入りが増え、揺れる個々の選考基準
クレメンスとボンズはステロイド使用疑惑に関する問題で、裁判に出廷した経験を持つ。一方、ステロイド使用を公言しているホセ・カンセコから禁止薬物使用を告発されたことのあるロドリゲスは、2004年に使用疑惑リストに名前が挙がった際、「神のみぞ知る」と語り、否定しなかった過去がある。
殿堂入り候補者として“ステロイド時代”を代表するボンズやクレメンス、サミー・ソーサらが対象になった2014年から、禁止薬物使用疑惑のある選手の“取り扱い”を巡り、さまざまな議論がなされてきた。当初は、ステロイド疑惑のある選手は選考対象から除外すべき、という声が多かった。だが、年々“疑惑”を持つ候補者が増えてきたため、投票者でもある全米野球記者協会(BBWAA)に10年以上連続で在籍する記者は、それぞれに判断基準が変化しているようだ。
今回75パーセントの得票に到達せず殿堂入りを果たせなかったボンズとクレメンスだが、得票率は昨年度の40パーセント台からクレメンスは54.1パーセント、ボンズは53.8パーセントとアップ。この事実もまた、判断基準の変化を象徴しているのかもしれない。投票権を持つローゼンタール記者は、ここ数年で自身の判断基準が変わってきたことを認めつつ、「明確なことは1つ。PED(禁止薬物)の壁は崩れ落ちている」と指摘している。
昨年のピアザ、今年のバグウェルとロドリゲスと、禁止薬物使用に関するグレーゾーンの選手が、クーパーズタウン行きの切符を手にする流れが生まれたのは事実だ。この流れを受け、ボンズやクレメンス、メジャー歴代15位の通算555本塁打を誇る、独立リーグ・四国アイランドリーグ(IL)plus高知のマニー・ラミレスらも、いつの日か晴れ舞台を踏むことができるのだろうか。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count