MLBスカウトが見る侍ジャパン 4番筒香は「納得」、菅野は「エースと期待」

菅野は「目先を変えて抑えられる」、筒香は「スイングの軸がぶれない」

「スカウトの立場としてWBCの存在はうれしい。様々な国のポテンシャルに溢れた選手を見られる。しかもそれらの国の選手たちが直接、対戦してくれる。

 この選手は、こういうタイプには強い、弱い、というのを直接、目の当たりにできる。こういう機会はなかなかない。日本人選手がメジャーに挑戦した時には、というシミレーションができる」

 MLBの球団の方針、個々が置かれている状況などがあり、トップの選手すべてを招集するのは難しい。だがその中でも侍ジャパンは最善の選考を行った。現在いる選手、関係者、ファンのすべてが「世界一」を望んでいる。

「今回、日本人メジャーリーガーは青木宣親(アストロズ)しか出場しない。正直、アメリカの現状を知っている選手がもっといればと……」

「とはいえ、NPBからも素晴らしい選手が選出されている。エースとして期待できるのは、菅野智之(巨人)。彼の安定した投球、制球力、多くの球種。外国人選手の目先を変えて抑えられると思う」

「また、筒香嘉智(DeNA)。彼はスイングする際の軸がぶれない。それにスイングスピードが速い。だから逆方向にも打てるし、タイミングを抜かれても拾ってバットに乗せられる。よく言われる外国人投手の動くボールにも適応できる。4番に置かれたのも納得ですね。彼の前に走者を出して、期待したい」

 過去のWBCを見渡しても、今回はなかなかタフな戦いになることが予想できる。しかし、彼らはやってくれるはずだ。

【了】

山岡則夫●文 text by Norio Yamaoka

1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌Ballpark Time!を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、製作するほか、多くの雑誌やホームページに寄稿している。最新刊は「岩隈久志のピッチングバイブル」、「躍進する広島カープを支える選手たち」(株式会社舵社)。 Ballpark Time!オフィシャルページ(http://www.ballparktime.com)にて取材日記を定期的に更新中。

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