侍ジャパン5連勝の快進撃は中継ぎ陣の功 V戦士・岩村明憲氏が熱闘を解説

普段とは違う起用法に適応した平野の凄さ、MLB強打者にも「間違いなく通用する」

 プレーオフやトーナメントのような短期決戦の場合、打者の視点から見ると、タイプの違う初対戦投手を1イニングずつ小刻み継投されると「本当に嫌なもの。なかなか特長がつかめなくて苦戦するんだよ」と岩村氏は話す。

「同じリーグでプレーしているならまだしも、国際大会でまったく情報がない投手。これは難しい。日本はそれを利用して、相手打線をうまく抑えることができている。さらに、中継ぎ陣はWBC球にも対戦打者にも、しっかり適応できている。マウンド上で普段通りのピッチングができている。これはデカイ。その中でも、平野の存在は大きいね。

 普段オリックスでは抑えを任されているのに、侍ジャパンでは中継ぎの1番手か2番手でしょ。抑えは出番が9回と決まっていて、そこに合わせて肩を作ればいい。でも、今のポジションは、第2先発と一緒でその日の先発投手の調子によって、出番が3回になるかもしれないし、5回になるかもしれない。いつやってくるか分からない出番に合わせて準備をするのって、まったく違うから。想像以上に繊細な部分だと思うよ」

 2次ラウンド第1戦のオランダ戦では、4回に2番手として登板し、3者凡退に斬って試合の流れを一変させた。そして、第2戦のキューバ戦でも5回にマウンドに上がると、1番・サントスを皮切りに3者凡退。相手の攻撃の芽を摘む“ストッパー”として大活躍だ。

「真っ直ぐ、フォーク、スライダーを上手く使って、打者に狙いを絞らせていない。平野の大きく落ちるフォークは、決勝ラウンドに進出してメジャーの強打者たちと対戦することになったとしても、間違いなく通用する球。あのフォークがあれば、150キロ台の真っ直ぐとフォークのコンビネーションだけでも怖いよね。さらに、スライダーでカウントを取りにいけるんだから、これは手強いよ」

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