選抜からプロの強打者へ 大谷、中田、森… 春の聖地から飛躍した男たち

大阪桐蔭の中田、森…センバツから次代のスター候補探しが楽しみに?

 そして2007年のセンバツ、中田は2回戦の佐野日大戦でその打棒を発揮する。1点を追いかける3回表、1死一、二塁の場面で打席に入った中田。カウント2-2からやや内角寄りのストレートを振り抜くと、打球はそのまま左翼席へ。中田の3ランで3-1と大阪桐蔭が逆転する。

 さらに6-3で迎えた4回表、中田は甘く入った変化球を逃さずにフルスイング。3回と同じく左翼席に吸い込まれる2ランとなり、2打席連続の本塁打となった。試合は11-8で大阪桐蔭が勝利し、中田の1試合2本塁打は1992年センバツの星稜・松井秀喜以来15年ぶりの記録となった。大阪桐蔭は続く準決勝で、この年のセンバツを制する静岡・常葉学園菊川に敗れるが、中田は評判通りのバッティングを甲子園で見せつけた。

 その中田の大阪桐蔭の後輩で、大谷の花巻東対大阪桐蔭の試合で藤浪とバッテリーを組んでいたのが、埼玉西武の森友哉捕手だった。当時2年生だった森は「1番・捕手」として、その強打をセンバツの舞台でも発揮した。花巻東との試合では3回にチーム初安打となる左前打、7回には二塁打を記録して3打数2安打と活躍。さらに3番に打順が変わった準々決勝の浦和学院戦は4打数3安打、準決勝の健大高崎戦では8回に勝ち越し弾を放っている。光星学院(現・八戸学院光星)との決勝は無安打に終わるが、藤浪をうまくリードしセンバツ優勝。さらに夏の甲子園も制し、大阪桐蔭は春夏連覇を達成した。

 大阪桐蔭は翌2013年のセンバツに出場し、3年生となった森は大会屈指の強打者として甲子園に戻ってくる。初戦となった遠軽戦では5打数4安打3打点と大活躍。試合も11-1と大勝する。しかし、大会中の練習で右ふくらはぎを負傷し、続く県岐阜商戦は出場できず、ベンチから試合を見守った。試合は4-5で大阪桐蔭が敗れ、3季連続甲子園制覇はならなかった。

 将来、パ・リーグの球団に入り、活躍する選手が今年のセンバツから出てくるかもしれない。ペナントレース開幕までの間、センバツを見て次代のスター候補に想いを馳せるのも一つの楽しみだろう。

(記事提供:パ・リーグ インサイト

「パ・リーグ インサイト」武山智史●文

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