聖地が守り続ける伝統 甲子園が「土」にこだわるワケとは

甲子園が守り続ける「伝統」とは

 駅を出て正面、目に入る「阪神甲子園球場」の文字。これだけで胸が熱くなる。空間、音、匂い、味、そして記憶。五感を刺激するこの球場には、我々に忘れさせない何かがある。そして球場サイドも忘れないものを未だに残してくれている。

 アメリカでは過去、人工芝球場から天然芝球場への改修はいくつか例がある。

「野球は空の下、天然芝でやるもの」

 カンザスシティやセントルイスなどは、その考えで改修をおこなった。東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地、Koboパーク宮城。16年から人口芝のフィールドを内外野とも天然芝に改修。素晴らしい英断だった。

 また、広島・マツダスタジアム、ほっともっとフィールド神戸、地方でも山形・鶴岡ドリームスタジアム。各地に内野にも芝を張った球場が増えてきた。だが、甲子園球場に関しては、いまだに内野には天然芝を敷き詰めない。試合中のグラウンド整備など、とても大変だと思うのだが。球場を管理する阪神園芸の金沢健児さんに聞いた。

「一番はやはり伝統です。ただ内野に天然芝を敷いた球場と比べて、土の場合はそんなに手入れや管理は大変じゃない。以前、神戸もうちでやっていたんですが、芝の管理は大変。でも、試合中に整備する範囲は甲子園と変わりなかった」

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