日米で活躍の元右腕が語る好捕手とは 虎期待NO1捕手、12球団NO1の送球は誰?
藪氏が考える12球団NO1の送球をする捕手は…
配球やリードの面では、まだまだ伸びしろがあると言われる小林だが、肩の強さは球界屈指。「強肩の捕手は?」と問われた時、藪氏の頭の中には日米両球界で数人の捕手が思い浮かぶという。
「ジャイアンツで組んだベンジー・モリーナは、いいキャッチャーだった。弟はプエルトリコ代表でカージナルスのヤディエル・モリーナ。ホセも合わせた3兄弟揃っていいキャッチャー。(ラッセル・)マーティンもいいね。ドジャースでもヤンキースでも一緒だった黒田(博樹)君は、かなり救われたところがあるんじゃないかな。
強肩と言えば、僕が阪神で投げていた1997年に、ロッテからトレードで移籍してきた定詰雅彦さんというキャッチャーがいて、無茶苦茶肩が強かった。毎日肩のトレーニングするんですよ。あんなにする人、見たことがない。でも、肩の中がしっかり鍛えられていたんでしょうね。二塁送球とか、正直怖かった(笑)。ピッチャーの腰の高さで150キロくらいの球を二塁へ投げる。オッと思ったらアウトになってるわけですよ。あの強肩はホントに驚いたなぁ(笑)」
そんな藪氏が、現在12球団NO1の送球をすると評価する捕手が、ロッテの田村龍弘捕手だ。
「今で言えば、ロッテの田村君。彼はコントロールがいいし、キャッチしてボールを二塁へ送球するまでの動作が速い。0.56秒とか0.57秒くらいですよ。強肩かというと、そこまででもないかもしれないけど、動作の速さで補えていますね。
彼もそうだけど、僕はキャッチャーは小柄な方がいいと思ってます。ミットが的として際立つ方がいいから。個人的な好みもあるだろうけど、捕手の構えが大きいと、ピッチャーには的がぼやけてしまう。体や構えが小さいと、ミットに集中できるんです。ピッチャーは究極の的当てですから(笑)。
あと僕はミットができるだけ動かない方がよかった。ベンジーもほとんど動かなかったし、谷繁(元信)君もそのタイプ。この前、谷繁君に聞いたら『僕はミットを動かしているんですけど、ピッチャーが見た瞬間に止まっていれば、動いていないように見えるじゃないですか』っていう言い方をしていたんですよ。なるほどなぁと。ピッチャー1人1人、ミットを見るタイミングは違うけど、それに対応していたんでしょうね」