ソフトB、2年連続で治らぬ「病」 ロッテに並び12球団ワーストになった課題
「一発病」克服のためキャンプでは内角を突く方針を徹底も…
今季、ソフトバンクは「一発病」を克服するため、キャンプ中から内角を積極的に突いていくチーム方針をバッテリー陣に徹底してきた。25日のロッテ戦では、ここまで中田とバッテリーを組んでいた高谷ではなく、初めて伸び盛りの甲斐と組ませた。工藤公康監督はこの意図を「拓也はしっかり内角も投げさせている。その前を考えると、外中心だとどうしても打たれる傾向が高くなる」と説明した。外角に寄りがちの高谷のリードを良しとしていないようだったが、結果的には拓也、鶴岡でも5本の本塁打を食らった。
26日、バンデンハークはこれまで通りに高谷と組んで、4回までに2被弾。レアード、大田に浴びた本塁打、高谷は内角を要求していたが、甘く入ったボールを痛打されたものだった。内角は配球には必要不可欠なものであるが、甘く入ると、長打となる諸刃の剣だ。これだけの被本塁打の数となると、投げきれなかった投手の責任だとも、リードする捕手の責任だとも言えず、首脳陣含めたチーム全体としての課題なのではないだろうか。
昨季の126被本塁打はリーグワーストながら、今季このままいけば143本ペースと、その昨季よりも悪化することになる。和田、武田、スアレスなど主力投手陣を数多く欠く状況にはあるが、解消されない「一発病」は深刻。V奪還に向け、大きな課題が突きつけられている。
【了】
福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani