11年ぶり日本人選手ゼロも…首位走る強豪Rソックスに日本人スタッフの存在

信頼関係構築に費やした1年間、「既存のスタイルを生かしながら」

「GMが代わったからかもしれませんが、レッドソックスは意外と選手任せな部分がある。パイレーツの方が球団主導だったように思います。だから、球団として『これをやりなさい』というのではなく、個々で目指すものは何かを知り、そのためには『こういうトレーニングをしていこう』というアプローチになります。

 僕が来る前から、レッドソックスのやり方がある。そこへいきなり新しいものを放り込んでも反発が起きるだけ。既存のスタイルを生かしながら、よりよいスタイルに変えていくか。いきなり他球団からやってきた僕に対して『コイツ何ができるんだ?』っていう目が向けられるのは当然。選手や首脳陣の信頼を獲得していくためには、何かを大ざっぱにやるのではなく、やっぱり個々とのコミュニケーションが必要だと思うんです。去年は信頼関係を作るために費やした1年かもしれません」

 怪我をしない身体作りができれば最高だが、レギュラーシーズンだけでも162試合を戦い、その上にスプリングトレーニングやプレーオフが加わることを考えれば「怪我は付きもの」と割り切らざるを得ないこともあるという。

「怪我が起きるのは仕方のないこと。起きた後の対処ですよね。回復具合は個々によって違うので、いかにその選手にあったプログラムを作るか。休むこともトレーニングの1つとして組み込んだ方がいい選手もいるし、手を抜かないように側で見ていた方がいい選手もいる(笑)。

 ハンリー(ラミレス)はお尻を叩かないとやらないタイプ。今年はもっと出来るはずなんですけどね。若い選手が台頭してきていますから、彼とパブロ(サンドバル)が中心選手としてより強い自覚を持ってくれると、もっといいチームになると思ってます」

 現在、ア・リーグ東地区首位を走るレッドソックス。日本人選手は所属していなくても、その影には日本人スタッフのサポートがあることを知ると、また違った見方ができるかもしれない。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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