「藤浪なくして優勝なし」― 元阪神右腕が語る32年ぶり日本一へのカギ

阪神OBで元メジャーリーガーの藪恵壹氏【写真:岩本健吾】
阪神OBで元メジャーリーガーの藪恵壹氏【写真:岩本健吾】

5月27日の登録抹消以来、2軍で調整を続ける右腕

 ペナントレースも残すところ50試合を切った。優勝、そしてCS(クライマックスシリーズ)進出争いに拍車がかかってくる。セ・リーグは、昨季に続いて広島が独走状態を続ける一方、2位につける阪神も2年ぶりのCS進出、2014年以来の日本シリーズ進出、さらには1985年以来の日本一を目指し、熱戦を繰り広げている。

 今季はベテランと若手のバランスがよく、野手では主将・福留、鳥谷らの背中を、高山、大山らが懸命に追いかけている。投手陣では、先発ローテの軸・メッセンジャーの安定感に加え、8年目の秋山が成長。救援でも、10年目の桑原が防御率1点台を下回る鉄壁のリリーフを見せるなど心強い。

 CSに進出し、32年ぶりの日本一に輝くためには、ここから何が必要か――。阪神OBで元メジャー右腕の藪恵壹氏は「藤浪晋太郎でしょう。晋太郎なくして優勝なし、ですよ」と力強く言った。

 メッセンジャーと並ぶ先発ローテの軸として期待された藤浪だが、今季は開幕当初から制球が定まらず。今季初先発となった4月4日ヤクルト戦では5回を投げて9四死球を与えた。序盤に7試合で先発し、3勝3敗、防御率2.66。だが、7試合で36四死球、4暴投、被打率.233、1イニングあたりに出す走者の数を示すWHIPは1.65という高い数値を記録した。結果、5月27日に登録を抹消され、現在も2軍で再調整を続けている。

 2軍では一時中継ぎで調整したが、8月5日の中日戦に先発し、5回を投げて5安打1四球7奪三振2失点(自責1)の成績だった。2軍では、中継ぎも含め10試合に投げて、4勝2敗、防御率2.25。投球内容は改善されつつある。

「君のことを一番分かっているのは君自身」

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