西武シュリッターは滅多に三振を奪わない、異能のセットアッパー
異なるスタイルの投手で構成される西武の「勝利の方程式」
シュリッターは2007年、フィリーズから16巡目で指名されて入団し、翌年にはカブスに移籍。2010年にMLBに昇格し、2015まで中継ぎ投手として投げていた。福留孝介、和田毅などとチームメイトだった時期もあるが、メジャーでは通算78試合登板で3勝6敗、防御率5.40と活躍できなかった。2016年にロッキーズに移籍するも、メジャー昇格はならず、西武にやってきた。
メジャーでのK/9は、通算で5.27。奪三振は多くはないが平凡な数字だった。
NPBに移籍した外国人投手は、パワーがない日本打者と対戦して、奪三振数が増えるのが一般的だが、シュリッターは真逆だった。小さく動くツーシーム、スライダー、チェンジアップなどの球種でゴロを打たせる投法に徹して、セットアッパーとして地位を確立した。投手コーチなどのアドバイスもあっただろうが、賢明なモデルチェンジだと言えるだろう。
シュリッターが加わったことで、西武の救援投手陣には、左腕の武隈祥太(11ホールド)、アンダースローの牧田和久(25ホールド)、右腕シュリッター(28ホールド)と3枚の個性の異なるセットアッパー陣からクローザーの増田達至(22セーブ)へとつなぐ「勝利の方程式」が完成した。
西武は3位から楽天、ソフトバンクを伺う位置にある。打線が好調で、追撃態勢は整っているが、シュリッターがマウンドに上がる機会は今後も増えると予想される。クレバーな投法で、ゴロの山を築けば、ペナントは現実的なものになるだろう。