球数少なく打者を追い込む円熟の投法 2位球団を支える阪神桑原、楽天福山
紆余曲折を経て入団したチームで活躍する2人の「頼りになる救援投手」
ペナントレースはいよいよ佳境。セ・パ両リーグの2位球団、阪神と楽天は置かれている状況は違うが、過酷な試合を戦っている。この胸突き八丁でモノを言うのが「頼りになる救援投手」だ。阪神の桑原、楽天の福山はともに紆余曲折を経て、両球団でなくてはならない存在になっている。
阪神の桑原謙太朗は、奈良産業大から2007年、ドラフト3巡目で横浜(現DeNA)に入団した。登板数は1年目の30試合が最多。2010年オフにトレードでオリックスに。登板数は2011年の10試合が最多で、2014年11月に阪神にトレードされ、2015年は6試合に投げたものの、昨年は1軍登板なし。スライダーを武器とする変化球投手ながら、制球が今一つだったのだ。
しかし今季は、開幕から1軍スタート。最初の3試合で2失点と滑り出しは悪かったが、4月5日から5月21日まで、16登板連続で無失点。セットアッパーとして「勝利の方程式」に食い込んだ。ここまで防御率は0.96、成績急上昇の最大の要因は、制球力が飛躍的に向上したことだ。
桑原のキャリアでのBB9(9回当たりの与四球数)は3.66、1軍登板した過去3年でも2013年6.23、14年5.06、15年8.53と非常に悪かったが、今季は1.34と見違えるような成績。「マッスラ」と言われる変化の小さいスライダーでストライクが取れるようになったことが大きい。
楽天の福山博之は大阪商業大から2010年、ドラフト6位で横浜ベイスターズに。桑原とは入れ違いでの入団だった。当初から救援投手として投げるが、成績は上がらず。2012年に野手転向を奨める球団の意向を拒否し退団、楽天に入団した。