歓喜の瞬間は誰に託される? 意外と少ない過去20年の「胴上げ投手」

2013年の田中はリーグ優勝、CSファイナル、日本Sで「胴上げ投手」に

 過去20年の「胴上げ投手」はパ・リーグがいずれも無失点で、セ・リーグも2006年以降は点を取られていないのが特徴だ。前述の大谷のように、先発投手が最初から最後まで投げ切ったケースは特殊で、1997年の吉井氏まで遡る必要がある。

 先発投手をリリーフとして投入するパターンも見られる。2004年の石井貴氏(西武)はシーズン14登板とも先発で、プレーオフに突入しても第2ステージの初戦でまっさらなマウンドに立った。その際は4回1/4を投げて5失点で負け投手になったが、シリーズ勝ち抜けを決する第5戦ではチームが延長10回に勝ち越した直後に救援登板。大一番の試合を締めくくると、その後、日本シリーズで2先発して2勝、13イニングス無失点のピッチングでMVPを獲得した。

 2013年の田中将大投手(楽天)はリーグ優勝決定試合にとどまらず、クライマックスシリーズのファイナルステージ第4戦、日本シリーズ第7戦でも9回からリリーフして、自らの手で東北に3度の歓喜をもたらした。

 今年のパ・リーグは、マジックを1とした福岡ソフトバンクがメットライフドームへ乗り込んで、9月16日から2位の埼玉西武と3連戦を戦う。過去20年、埼玉西武の本拠地での胴上げ5回は、球場別では両リーグ最多タイと縁起がいい。舞台は整った。最高のクローザーを擁する福岡ソフトバンクが、半年にも及ぶペナントレースの幕を引く瞬間は近い。

【ハイライト動画】大谷の完封勝利で2016年リーグ優勝を決めた日本ハム

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