主力に負傷者続出も2年ぶり18度目V ソフトバンク栄冠への軌跡

投打の主力が怪我で離脱も、交流戦では3季連続最高勝率

 日本生命セ・パ交流戦期間中は、5月31日の中日戦で育成出身の石川が初先発初白星、6月11日の阪神戦では同じく育成出身の山田が、今季初登板初勝利を挙げた。デスパイネが肉離れで一時戦線離脱し、巨人に継投ノーヒットノーランで敗れるという悔しさも味わうものの、柳田が4番を務め、3年連続で交流戦最高勝率チームとなる。柳田は史上初となる2度目の交流戦MVPにも輝いた。

 さらに6月23日の埼玉西武戦では、打っては柳田が3打席連続本塁打でプロ通算100号に到達し、投げては東浜が4年ぶりの完封勝利を果たす。同25日の埼玉西武戦では、「伏兵」福田が劇的サヨナラ弾。同27日の北海道日本ハム戦では松田がプロ通算200号、翌日には育成から正捕手に上り詰めた甲斐が2試合連続弾。主力選手が多数離脱しているというハンデを感じさせない強さを見せ付けて、福岡ソフトバンクはリーグ首位の楽天の後ろをぴったりと追走する。

 6月30日から7月2日にかけて行われた楽天との首位攻防戦では、全て1点差での決着という激しい競り合いの末に勝ち越し、7月4日のオリックス戦では両リーグ最速の50勝に到達。翌日の試合でサファテ投手が史上6人目の日本通算200セーブという偉業を達成し、同7日の北海道日本ハム戦における勝利で今季初めて首位の座に躍り出た。

 しかし、7月11日と12日に行われた前半戦最後の首位攻防戦では、楽天の驚異的な粘りの前に敗れて、楽天の前半戦首位ターンが確定。福岡ソフトバンクは2位という立場で後半戦を迎えることになる。その後も川崎、内川が相次いで故障離脱。フルメンバーが揃わない状態での戦いを強いられた。

 ただ、前半戦を首位で折り返した楽天も、ここで歯車が狂い始める。7月27日から8月3日の7試合で、1勝6敗と2カード連続の負け越し。その間福岡ソフトバンクは6勝1敗と手堅く勝利を積み重ね、8月2日に単独首位に浮上。同5日に上位チームを猛追する埼玉西武の大型連勝を「13」で止めたが、8日の千葉ロッテ戦で敗れて首位から陥落し、残り試合数の関係で、楽天がマイナス1ゲーム差の首位というリーグ35年ぶりの珍事が起きた。

 8月12日、千賀が育成出身選手としては史上初の2年連続2桁勝利を決め、15日には「福岡ソフトバンク」という球団名になって以降1000勝という大台を突破するとともに、首位の座に返り咲く。同18日からの3連戦と9月1日からの3連戦で楽天と直接対決し、岸、則本、辛島との投手戦をいずれも粘り強く制すると、8月に大きな月間負け越しを喫した楽天とのゲーム差を一気に広げた。

8月15日に首位に返り咲くと独走態勢に

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